誰でも農業のできる環境に「変」えていこうと、食に携わり頑張り続ける人々を紹介します。
11.07.06
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農作業に励む「二島西」のメンバー |
山口市秋穂二島の農事組合法人「二島西」は、一丸となって地域農業を発展させようと、全員参加型の法人を目指す。水稲の直播栽培で経営の効率化を図り、地下水位制御システム「フォアス」を導入、農作物の収量と品質の向上に努める。
法人として本格的に作付けを始めて2年目の今年は、ほ場整備が完了している約50ヘクタールで水稲と麦、約2ヘクタールでタマネギやカボチャの栽培を行う。
同法人の設立は2008年11月。組合員数146人、経営規模140ヘクタールで、県内でも最大級の法人だ。今年作付けする水稲の品種は、ひとめぼれ、ヒノヒカリ、中生新千本、日本晴、飼料米のモミロマン。7.8ヘクタールで直播栽培に挑戦し、コストの節減を図る。地下水位をコントロールできるフォアスの導入で、水の管理に伴う人件費や手間の削減、営農の多様化を期待する。
農繁期を迎え、法人のメンバーは田植え作業に汗を流す。メンバーに大型機械に慣れてもらうため、オペレーターは指導のもと、毎日交代で研修を兼ねた作業に励む。
ほ場整備が完了するのは2014年の予定。同法人の村永允組合長は「組合員全員が作業に参加できるように、麦や野菜の効率の良い作付け体系を考えていきたい」と話す。
11.06.21
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(有)どんぐりの田辺英雄代表理事と認証書 |
長門市の2法人がこのほど県内で初となるJGAPの認証を受けた。JGAPとは、特定非営利法人日本GAP協会が運営する日本版GAPのことであり、「農産物の安全」「環境への配慮」「生産者の安全と福祉」「農場経営と販売管理」の4テーマに基づいた農場管理の手法。同協会が依頼する第三者機関が認証を行うため、農産物の安全・安心を裏付ける取組みとして全国に広がっている。2回目となる今回は(有)どんぐりについて紹介する。
長門市三隅にある(有)どんぐりは常に新しいことにチャレンジすることを心がけており、先進事例などを積極的に情報収集し経営に取り入れている。その一環として山口県で初めて「マルチリーフクイーン」「マルチリーフリボン」というワンカットで盛り付けが出来るレタスを栽培。日持ちがよく、子供でも食べやすい食味から人気を得ている。また、4月1日には、ねぎ、レタス、水菜、セルリー、小松菜、春菊、高菜(中国野菜)、ブルーベリー、キャベツ、菜花(はなっこりー)の10品目でJGAP認証を受けた。
同組織は平成13年8月に設立し、現在、構成員3人、従業員1人、パート2人、調整作業員10人からなる。多品目に渡る商品提案を心がけており、水耕野菜栽培施設約5,000平方メートルで小ねぎ、リーフレタス、水菜、小松菜、ホワイトセロリーなどを周年栽培。JA共販にて長門、徳山、防府など県内市場を中心に出荷している。
また、約2,000平方メートルの施設で約400本のブルーベリーをポット栽培、地元加工グループで委託加工しジャムとして販売している。露地圃場も約7,000平方メートルあり、業務加工向けを中心としたキャベツ、はなっこりーなどを栽培している。
JGAP取得理由について訊ねると、(有)どんぐりの田辺英雄代表理事は「県内で他にやっている組織がいないというのがきっかけ。これからは安全・安心はもちろん、労働環境を守り、自然環境にも配慮した野菜づくりが必要だ。JGAPにはこれら全てが詰まっている」と話す。
今後、JGAPをどのように活用していくかを課題としており、JAや行政と連携を取りながら、他の野菜との差別化を図り、積極的に販売していく考えだ。
田辺代表理事は「JGAPは消費者にとって安全・安心というだけでなく、経営の安定にも繋がる。相対取引などを上手く活用し相場に左右されない強い経営体を今後目指していく」と意欲を燃やす。
11.06.21
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宮西郁美主任技師 |
長門市の2法人がこのほど県内で初となるJGAPの認証を受けた。JGAPとは、特定非営利活動法人日本GAP協会が運営する日本版GAPのことであり、「農産物の安全」「環境への配慮」「生産者の安全と福祉」「農場経営と販売管理」の4テーマに基づいた農場管理の手法。同協会が依頼する第三者認証機関が定期的に現場で審査を行うため、信頼性の高い農業生産工程管理の認証として全国に拡がっている。
今回は、山口県農林水産部農業振興課、宮西郁美主任技師に、JGAPの取組みについて話を伺った。
山口県は、19年度からGAPの推進を開始、21年度に日本GAP協会との共催により、各農林事務所の普及指導員やJAの営農指導員等を対象にJGAP指導員研修を行い、JGAP普及の基盤を固めた。22年度から本格的にJAや法人などへ導入に向けた働きかけを行っている。JGAP導入によって、農業生産工程の全般にわたるリスク管理を行うことで、農産物の安全性の確保や環境への配慮に対応し、効率的に経営改善できる。
実際にJGAP導入が行われた現場からは「経営者と従業員の間でのコミュニケーションが増え、会社組織としての運営がやりやすくなった」「管理体制が整い、現場周辺が整理整頓された」「リスク管理ができ、自分たちの取組みに安心感が出てきた」などの前向きな声が多く寄せられている。
宮西主任技師は「JGAP導入を希望する生産者や法人に対して、人材育成などを通して支援体制を整えていきたい。GAP導入の目的は、取り組む生産者や法人によって様々である。まずは初級編である基礎GAPから始め、工程管理による経営改善の土台をつくる。その上でレベルアップを図り、農業の持続的な発展を目指してもらいたい」と語る。
山口県では、22年度末段階で28産地が基礎GAPを導入している。JGAP認証はまだ2法人だが、裾野は今も確実に拡がりつつある。
11.04.26
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JGAP認証書を持つ農事組合法人二条窪槌田誠専務理事(左)とJA長門大津営農経済部の種池和久課長(右) |
長門市の2法人がこのほど県内で初となるJGAPの認証を受けました。JGAPとは、特定非営利法人日本GAP協会が運営する日本版GAPのことであり、「農産物の安全」「環境への配慮」「生産者の安全と福祉」「農場経営と販売管理」の4テーマに基づいた農場管理の手法です。同協会が依頼する第三者機関が認証を行うため、農産物の安全・安心を裏付ける取組みとして全国に広がっています。
今回は、そのJGAPの認証を受けた2法人の1つ、農事組合法人二条窪について紹介します。
長門市三隅にある農事組合法人二条窪(谷村孝代表理事)は、昭和58年設立の二条窪営農組合が平成18年に法人化したものです。現在、13戸16人、オペレーター6人を抱え、水稲9ヘクタール、農作業受託2.2ヘクタールで農業を営んでいます。
同法人は、農家の高齢化や兼業化、後継者不足が進み、農地の維持が困難になってきた背景から、営利ではなく、効率的な営農を行い、将来にわたり農地を守ることを第一に目指してきました。
また、化学農薬・化学肥料の低減やエコファーマーの認定を受けるなど循環型農業にも積極的に取り組んでいます。このような環境に優しい、安全・安心な農産物づくりの一環として、平成23年3月30日に穀物のJGAP認証を受けました。
同法人の槌田誠専務理事は「JGAPは、消費者に選ばれる農産物を作るためには欠かせないもの。これから、農産物ブランドをつくるなどJGAPを上手く活用して、次世代に自慢できる法人を確立していきたい」と話しました。
同法人のJGAP認証の指導を行ったJA長門大津営農経済部の種池和久課長(JGAP指導員・JGAP審査員補)は「今まで一部の農業は、過去の経験や勘に頼るものがあったが、安全・安心な農産物を消費者に届けるためには、裏付けのあるJGAPは有効的だ。また、このJGAP取得がゴールではなく、この道具をどのように活用するかが課題となるので、これからも地域内での推進・活用支援に力を注ぎたい」と意欲を見せています。
11.04.26
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昨年9月に山口県で行われた第56回全国カンキツ研究大会の終了後、壇上で紹介され肩を組む2人(角井雅之さん(右)と辻鼻俊介さん(左) |
周防大島町は山口県有数の柑橘生産地。この「ミカンの島」にミカン農家を志す2人の青年がいる。JA山口大島指導販売部で営農支援員として研修する角井雅之さん(26)と辻鼻俊介さん(21)だ。
角井さんは、生まれは周防大島だが育ちは横浜。農業とはかけ離れた環境で学生時代を過ごした。しかし、周防大島でミカン農家をしていた祖父に憧れ、就農を決意。
一方の辻鼻さんは岩手県で生まれ育った。幼い頃からミカンが大好きで、いつか自分が美味しいミカンを作りたいと思っていた。この夢を叶えるため、山口県立山口農業大学校に進学、卒業後の就農を目指した。
周防大島は高齢化が進み、近年は特に担い手不足が進行している。オレンジの輸入自由化や果物の価格低下の影響もあり、管内の柑橘生産量は、全盛期に比べると15%程度に落ち込んでいる。そのような中、新規就農を志す2人を県・町・JAがバックアップ。平成22年4月より、2人は当JAの営農支援員として1年間、JAにおける営農指導・販売事業のサポートや産地の視察等の研修をしながら、ミカン畑を借りて実際に栽培へ取り組むなど栽培技術を磨いてきた。
「大島の人たちは本当にいい人ばかり。職場、先輩農家、近所の方々もとてもよくしてくれる。お世話になった人が多すぎて名前を挙げるとキリがない」。今年度で研修が終わる2人を多くの方々がサポートし、来年度からの耕作地や居住地の準備も整いつつある。
しかし、柑橘生産のみで生計を立てるのは険しい道のりだ。スムーズに耕作地を拡大していけるのか。経営投資してもその後うまくいくのか。苗木を植えても今年のような寒波が来れば枯れてしまうのではないか。不安を挙げていけばいくつも出てくるはずだが、2人は笑顔で「不安もあるが、目の前にあるミカン農園の管理作業をしていると楽しくて仕方ない。これからもみんなで協力し、助け合いながら、周防大島を盛り上げていきたい。『大島ミカン』はうまいんですから」、「1人前のミカン農家になることがお世話になった方々への1番の恩返しだと思っている」と笑顔で話す。
高い志をもつ2人の青年が、4月から力強く第一歩を踏み出した。
11.03.07
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笑顔が素敵な徳重一代さん |
防府市に住む徳重一代さん(73)は、農業のかたわら、農産物直売所「むれ楽々ふれあい店舗」の会長として、また農業委員も務めており、忙しい日々を送っているが、いつも元気いっぱいの笑顔を見せる。また、JA防府とくぢ女性部エルダー部会会長、牟礼支部長を歴任、女性部活動にも力を入れている。
女性部牟礼支部には野菜苗部会や玉葱部会があり、会員から「共販に出せない規格外の野菜や余った野菜を有効活用する販路はないものか」と相談があり、平成12年当時のAコープ牟礼店の店頭で会員20名により週2日の朝市を始めたことがきっかけで「むれ楽々ふれあい店舗」は生まれた。
Aコープ店が廃止になったことから、朝市は一時存続が危ぶまれたが、地元に根付いた朝市を絶やしたくないという徳重さんの熱い思いと、地元住民からの「新鮮な野菜を今まで通りぜひ販売してほしい」との声が後押しとなり、JAの経済事業統合により、空き家となった購買倉庫を借りて再開。再開後の朝市は生産者組織による運営とし、「売って楽しい、買って楽しいふれあい広場」をめざし、店名を「むれ楽々ふれあい店舗」とした。
昨年2月、山口農林事務所より「モデル直売所」の認定も受けている。徳重さんは「直売所に力をいれることによって、耕作放棄地の解消の一助、自給率の向上に繋がれば」と話す。また食育活動にも積極的に取り組み、地元牟礼南小学校の児童たちにいろいろなイベント活動を通じ食の大切さを訴えている。これからのことを尋ねると「後継者づくりに力をいれていきたい」と、いつもの笑顔をみせた。
11.02.16
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下瀬さんとりんご園「しもせりんご村」で人気者の愛犬 |
山口県山口市阿東でリンゴを栽培する下瀬路陽さん(25)は、積極的に6次産業化に取り組み、付加価値の高い商品を生み出している。栽培するリンゴを加工した製品は県外からも需要があり高い人気を誇る。
下瀬さんは祖父の代から続くリンゴ園の3代目として、父の一正さん(62)と母の倫子さん(58)、妻の知子さん(24)とともに栽培に取り組む。会社経営をメインとしつつ、忙しい時期はアルバイトも雇う。家族で経営するりんご園は、山口県では初となるリンゴのエコファーマーとして認定を受けるなど品質管理も徹底。現在、有機肥料・低農薬栽培で、リンゴ、ブドウ、モモ、ブルーベリーを3.5haで栽培している。
ガソリンスタンドで働いていた下瀬さんは何でもやってみたいという好奇心から3年前に就農を決意。就農にあたり、青森県の剪定のプロや家族など、周りの人に温かく支えてもらい、技術を習得した。「就農してからは、様々な方と接することができ充実した日々を送っている。天候に悩まされることもあるが、農業は楽しい」と下瀬さんは笑顔を見せる。
これからの時代、6次産業化が農家の生き残りのカギになると考えた下瀬さんは、りんごの樹でスモークした燻製、自家製のリンゴで作ったジャム・ジュース・アップルパイなどを販売。袋をかけない、葉を取らない、3m以内に高さを抑えるわい化などこだわりをもって栽培されたリンゴで作られる加工品はリピーターが多い。
さらに、りんご園に野外ステージ、レストラン、ドッグラン、グランドゴルフ場など様々な施設をつけることで、施設の複合化を図り、様々な客層を確保。多い日には1,000人を超える来場者が訪れる。
下瀬さんは「今後リンゴ園に宿泊施設を建設したりと様々な取り組みを行い、多くの方が遊びに来れるリンゴ園にしていきたい」と話す。
リンゴ園「しもせりんご村」への問い合わせは083-952-0943まで。
11.02.07
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大田チズ子さん、背景は景観を美しくするために「はなっこりー福寿会」で道端に植えた葉ボタン(1月26日、山陽小野田市にて) |
山口県山陽小野田市の大田チズ子さん(73)は、JA山口宇部を通して積極的に活動、地元農業の振興に一役かっている。昭和58年の就農後、女性部支部長、同JA女性部長、理事や農業委員などを経て、現在は支店の総代として忙しい日々を送る。
大田さんは就農前、化粧品会社に勤務していた。親の死をきっかけに就農を決意し、現在、水稲57アールを栽培。小さいころから農作業の手伝いはしてきたものの経験がほとんどない大田さんは、営農指導員の指導や講習会に助けられたという。
就農と同時期に女性部支部長になった大田さんは、よりよい営農体制、女性の生きがいづくりを目指し励んできた。食育活動にも積極的に取り組んでおり、現在も地域の小学校で児童に食の大切さを訴える。
また、大田さんは5年前に生産グループ「はなっこりー福寿会」を立ち上げ、メンバーとはなっこりー10アールを栽培。グループのメンバーとの活動は、大田さんにとってかけがえのないものとなっている。
これからのことを尋ねると「将来の食料確保を考慮しないTPPは、日本農業と農村、地域の自然、文化を滅ぼすことになりかねないので反対だ。現在の農業情勢は厳しいが、農業は楽しいものということを忘れずに、これからも元気に活動していきたい」と大田さんは笑顔を見せた。
11.01.25
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ホウレンソウ農家 河村和彦さん、真弓さん |
河村和彦さん(59)と妻の真弓さん(53)は、下松市赤谷地区でホウレンソウの栽培に取り組む。現在12棟のハウスでホウレンソウを周年栽培、年に4~5回の作付けをし、スーパーやJAの直売所で販売する。
和彦さんは「自分のしたいことをしてみたい」と30年間勤めた下松市役所を54歳で早期退職。当初から農業をしようと思っていたわけではないが、 当時、人に頼んでいた実家の水田が、作り手の高齢化で耕作を頼めなくなった。両親から受け継いだ田畑を荒れさせるのはしのびないとの思いもあり、いろいろ 考えた結果、就農することにした。
それまで農業経験がなかった河村さんは、まず土作りから学び、県の農業機関やJAに相談し、地域や収益性を考えてホウレンソウ栽培を始めた。
「最初の2年間は、ハウスなどの初期投資などで経済的にとてもきつかった。年収も公務員時代の半分になったが、夫婦2人とも前向きな性格なのでやめようと思ったことはない」と河村さんは笑顔で話す。
当初は、栽培も失敗の連続だったが、試行錯誤を重ねて乗り切った。土作りもなるべく化学肥料に頼らず、土壌分析で施肥調整をするなど研究熱心な姿勢を見せる。2008年の10月には、JA周南ホウレンソウ部会の一員としてエコファーマーの認定を受けた。
栽培では「おいしさ」にもこだわる。「ホウレンソウは水で育つ」と聞き、地下50メートルから汲み上げた水を使用。品種においても、時期や赤谷の 気候と土に合ったものを、シードアドバイザーに相談して季節ごとに選ぶ。消費者からは「ゆでただけでも甘みがあって美味しい」と評判だ。
また、一昨年には夫婦で家族経営協定を結んだ。文書で栽培における就業時間や役割分担、収入など細かい取り決めをし、出荷先ごとに収入を分ける。農業を仕事として捉え、夫婦がお互いに目標意識を持つことで、合理的な経営を行う。
ホウレンソウ栽培も5年目、経営も徐々に軌道に乗り、現在では時期に合わせてトマトやミズナも栽培、売上げも順調に伸びている。