明日への挑戦

2009年05月25日

宇部市西万倉/特定農業法人有限会社「アグリ楠」吉岡寿代さん(22)


好きなナス畑で精を出す吉岡さん

 農産物検査員で特定農業法人有限会社「アグリ楠」の従業員でもある吉岡寿代(22)さんは3月に開かれた第1回農産物鑑定会に挑戦、「水稲うるち玄米10点の銘柄鑑定では見慣れている4品目くらいしか鑑定できなくて難しかった。経験を積んで鑑定技術を磨きたい」と目を輝きさせる。

 萩市須佐の出身、高校の時の農業体験が楽しく、ナス栽培をしたと山口県立農業大学校に進学し、園芸科野菜経営コースを専攻した。水耕ナスの研究に一人で励み、中国四国ブロック大会や全国大会に出場し、研究成果を発表する努力家だ。経営プロジェクトを学び経営の難しさも痛感した。


  宇部市西万倉「アグリ楠」に就職したのは「万倉ナス」を山本繁俊社長(49)の紹介で地元農家から研修を受けたのがきっかけ。3年目の今年は栽培面積を増やしナス50アールとはなっこりー30アールに挑む。


  山本社長は、吉岡さんを「おとなしい性格で辛抱強い。野菜を作るのが好きなので農業の厳しさに耐えられると思う」と今後の活躍を期待する。「ナスは水、肥料、陽かり、芽がきがポイント」と栽培技術も向上し、生育は順調だ。


  「アグリ楠」は元もと土木建設会社で、「建設業もこのままでは成り立たない。地元の田畑が荒廃する姿に、誰かが農地を守らねば」と社長自ら2005年に建設業を営む傍ら農業法人を立ち上げた。現在職員は10人、建設業と農業の労力がうまく噛み合っている。利用権設定し15ヘクタールで米を生産。「農業を志す若い人材を育成し、地元の雇用を守りたい」と地域活性化を重視する。「安全・安心で美味しい食材を消費者に届けることが出来れば建設業と農業の両立は可能」と説く。米など農産物はJAを通じ販売。


  吉岡さんは山本社長の全面的バックアップを受け「今はアスパラガスの栽培を勉強中。将来はエコを取り入れたハウス園芸野菜を主力に経営向上に繋げたい」と意欲的だ。

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