明日への挑戦

2009年07月09日

ハウスイチゴ栽培にチャレンジ山口市徳地町の森本尚則さん(36)


暑いハウス内で作業する森本さん

畜産農家は生き物が相手でJA山口県青協の県委員長に選ばれるのは全国でも珍しいと言われる木村委員長は妻と娘、父母、祖父、弟の7人家族。長門市日置で繁殖牛16頭と水田3ha、飼料畑2haを営む傍ら、農業法人「ヘキ」に所属、産業用ヘリのオペレーターとして仲間10人と空中散布700ha請け負う。JA長門大津の自動ラック式低温倉庫を背景に、350平方メートルの牛舎と2300平方メートルの放牧地が広がる。

 

 畜産農家を志したのは、昔、牛を飼っていた祖父が市場で20万30万円と凄い金額で取引する姿に魅力を感じたのがきっかけという。県立日置農業高校畜産科を経て県立農業大学校畜産科へ進学し、人口授精師、家畜体内授精卵移植師など技術免許を取得した努力家だ。「畜産は自分が交配して、一定のパターンができて値段に繋がることにやりがいがある」と繁殖農家の魅力を話す。一方畜産農家の現状を「BSE問題が発生し牛肉の値下がりや、今は世界的不況の中、食肉への消費の減少や原油高の影響で輸入飼料のトウモロコシが高騰しコストが上昇した。景気が良い時は子牛の値段が35万~45万円したが、今は平均10万円値下がりし赤字経営が続く」という。コスト削減に向け耕畜連携で休耕田を農家に受託して飼料用作物を植え付けている。

 

 食農教育にも熱心だ。地元4Hクラブでは小学校で児童らとサツマイモの植え付けや花壇づくりなど地域活動にも参加する。

 

 長門市は和牛では県下トップクラス。「東平福」は県を代表する種雄牛でおとなしく飼いやすい。「福美美」は全国和牛共進会で全国3位となる。「繁殖農家は自分で交配した子牛を出荷して、枝肉ができるまでの評価が知りたいが現状は困難だ。今後雌牛の共進会にも出品し、いい成績を残したい」。「大きな牛に育つと嬉しい」と穏やかに話す。家では人口授精で母牛から年間12~14頭生まれる。「苦労と言えば牛の出産、足が曲がって出産するときは明け方まで付き添うこともあり、初出産の牛が一番心配だ。子どもの成長とともに16頭から30頭に増やしたい」と夢を膨らます。

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