明日への挑戦

2009年10月13日

地域とともに歩む交流施設「楠こもれびの郷」オープン/武波博行社長


地域交流施設の玄関で武波博行社長

地域の生産者、消費者らととも歩む交流施設「楠こもれびの郷」が8月5日、宇部市西万倉にオープンして順調な滑り出しだ。


  2004年に温泉で地域活性化しようと「農業を守り温泉考える会」が発足し、掘削調査を始めたのがきっかけで、農業振興も守ろうと地元住民らが出資し立ち上げた指定管理者「楠むらづくり(株)」が運営管理する。現在株主は196人、1株1万円、議決権は10株以上とし、株主全員が成長することを目指している。


  交流施設は万倉地区の田園に、周辺農地で育った農産物の直売所「楠四季菜市」、地元食材にこだわった田舎料理の農家レストラン「つつじ」、地元市有林をふんだんに使った掛け流しのくすのき温泉「くすくすの湯」と2010年にオープンする農業研修交流施設「万農塾」からなる。農産物直売所は地元農家が栽培した新鮮野菜のほか、JA山口宇部の農産物加工場から煎茶、イチジクジャム、米、味噌、米粉を使った手作りのマドレーヌ、弁当などが並び、開店と同時に野菜を求める買い物客と34.6°の天然温泉は「お湯が良い」と家族で訪れる人で賑わっている。


  運営を管理する元楠町長の武波博行社長は、「管理運営について地域住民と協議を重ねた結果、第3セクター方式より完全民営化して生産者、消費者らが自ら自覚し株主となる方が、集客力と販売力に繋がる」と農業と温泉を併せ持った交流施設に期待を掛ける。


  来年度は農業研修交流施設も完成し、農家の人を塾長に将来担い手になる若い人を受け入れ農業体験をしてもらう計画だ。近隣の特定農業法人有限会社「アグリ楠」と連携し就農への足がかりにしたいと期待する。

  「常に消費者の立場で考えた商品を揃えて、新鮮で安全・安心をモットーに地域農業振興に寄与したい」と夢を膨らませている。

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