明日への挑戦

2009年11月05日

下関市「菊川町生改連・上保木」古谷治代さん(65)


「こだわりの加工品」をPRする古谷さん/県知事賞に輝いた「苺かるかん」

 下関市菊川町生活改善実行グループ「上保木」の古谷治代さん(65)は、2009年度ふるさと特産加工開発コンクールの菓子類部門で「苺かるかん」を出品し、最優秀賞(県知事賞)に輝いた。
 
 「苺かるかん」は同町特産の苺をグループ会員4人が智恵を出し合って作った。規格外の苺を現代風にモチモチ感のある味にアレンジ、紙カップを手にして食べられ「孫までが美味しい」と、仕上がりに自信をにじませる。
 
 加工品を手掛けるのも、子どもの頃から手芸や木彫りなど手先が器用で、母の作るおはぎ、和風クレープ、芋の入ったぜんざいなど加工菓子を見て育ったせいだ。昔は農作業も良く手伝った。父母も夕方暗くなるまで働き、家に人がいないのが寂しかった。農業を主に山の木を切って売ったり、手間暇は係るが農業で生活が成り立っていた。「時代も変わり今の農業は楽しみことが大切」。町の「農村婦人の家」を市から指定管理者として委託を受け、加工技術員として農家の主婦らが持ち寄った材料で味噌加工の指導に当たる。元JA下関女性部菊川町支部「上保木」地区長も務め、目的別「なごみグループ」でイベント加工技術の勉強会も開らき、今も続けている。
 
 自分流の加工品を開発する工房「山里」を拠点に、惣菜や自慢のかき餅や生姜菓子、ゆずケーキなどこだわりの加工品は「やまぐち農山漁村女性統一ブランド認定品」として「いずみ店」「道の駅」などで販売、「苺かるかん」は近く「道の駅」や「小日本ふるさと市」に出す予定。ゆずケーキは市の「うまいもんづくり名人」に認定された。
 
 家は元は生姜屋で種生姜を売っていた。今もまとめて買い求める人も多い。薄くスライスし、付加価値を付けた生姜はダイエットや冷え性に良いと女性に人気がある。活動を通じ仲間から教わることも多く「こだわらないとだめ」と、先輩から教わった。ブランド品の審査は厳しいため、全て天然の材料を使う。「これからも安心にこだわり続け、地元産を使った商品開発に挑戦したい。政治も代わり、担い手が育つ魅力ある農業に進んでほしい」と願う。

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