明日への挑戦

2009年11月20日
山口県畜産共進会・第57回和牛共進会で農林水産大臣賞を受賞した下関市豊北町田耕の田上達成さん(75)


農林水産大臣賞を受賞した「ゆきこ2」と田上さん

 牛一筋56年、豊北町田耕で風力発電を背に肉用牛の生産に励む田上達成さんは、第57回和牛共進会で若牛黒和種の部に出品した「ゆきこ2」が農林水産大臣賞を受賞した。

 

 牛創りの心得を「毎日3~4回は牛を外に出し眺めて体をさすり、触れ、手綱を引いて運動し、牛と仲良くなること」と、力説する。子どもの頃から動物が好きで小学~中学生時代から犬、鶏、兎を飼育し、小学4年の時猟犬として5円で売った。「その時の5円の有り難さは今も忘れてはいない」と言う。戦後、新制中1期生卒で農高への進学も考えたが、当時約2.5ヘクタールの水田と農耕牛3頭で農業を営み、家庭の事情で進学を断念し、山口県種畜場(現畜産試験場)に練習生として6ヶ月学んだ。

 

 昭和26年家畜人工授精師の資格を取得、授精師として活動を開始し、畜産農家の削蹄(年200~300頭)を行った。24歳で家畜商を営み現在も続ける。共進会は19歳の時全国大会を目指したが、最終予選会で落選した。今も最高の思い出である。50歳の頃から再度県代表の思いが強まり毎年出品するが、今までグランドチャンピオンまであと一歩およばなかったが、今回初めて大臣賞に輝いた。

 

 祝賀会を開いていただき地域の人から「続けて」の声に「担い手が育つようこれからも身体が続く限り頑張りたい」と、決意を示した。現在生産牛8頭と肥育牛5頭、水稲1.6ヘクタール営む。「夢は次回長崎県で開かれる全国和牛共進会に出品出来れば」と、笑顔で話す。

 

 町の消防団長も長年務めた。「自分は学歴もないが、行動力は負けない精神力を持ち続けている」と、自分の人生を振り返る。日頃から努力を惜しまない性格、大病もなく晩酌も毎日欠かせない。「健康は人生最高の宝だ」と話す。

 

 「日本の牛は世界一だ、肉質本意で改良が進められてきた。これからは体型を重視し、バランスのとれた肉用牛の改良が大切」と説く。陸上競技や柔道、剣道もするスポーツ派。「何事もチャレンジ精神で、実践力を養うこと」。高齢化する農業の現状を「国は振興策を示すべきた」。「地域のグループを強化し、絆を大切に、助け合う心でもう一歩踏み出して欲しい」と、呼び掛ける。

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