明日への挑戦

2010年03月08日

農産品加工で地域を元気に/和田農産物加工グループ


みそ造りで米麹の切り返しをする「和田農産物加工グループ」のメンバー

  周南市の中心部から車で30分、山林に囲まれた周南市高瀬のJA周南和田農産物加工所。60代の女性7人が運営する「和田農産物加工グループ」が、地元の特産品を活かした加工品で売上げを伸ばしている。

  同グループは、1989年に40代の主婦を中心に設立し、県や市、JAに働きかけて1991年に同加工所を設け、ここを拠点に活動する。高瀬みそ、高瀬こんにゃく、オレンジケーキ、高瀬饅頭の4商品を造り、JA直売所や道の駅などで販売する。代表の友田タカ子さん(63)は、「私たちの商品は全てゼロから造り上げてきた。どれをとっても自信作」と、自信をにじます。

  素材は地元産にこだわる。特産のコンニャク芋を活かそうと手探りで始めたこんにゃくは、試行錯誤と研究への努力が実を結び、現在煮物用とさしみ用の2商品で売上げの半分を占める主力商品となった。市の学校給食にも納入し、毎年加工所に地元小・中学生を呼んでこんにゃくやみそ造りの体験学習など、地産地消や食農教育に一役買っている。

  地域と連携した活動も大切にする。昨年は高瀬茶などの加工品との詰め合わせ「和田ふるさとセット」を販売し、評判は上々で県内外へ120セットを売り上げた。

  これから技術の伝承をしながら自然に世代交代していくのが願いだ。「造る喜び、売る喜び」を地元の若い世代にも知ってほしい。それがグループ立ち上げや加工所設立の際、力になってくれた地元の先輩女性たちへの恩返しでもある。

このページの先頭へ