明日への挑戦

2010年04月28日
JA山口東経済部営農技術顧問江本透さん(70)


現場でクリの剪定指導する江本営農技術顧問

 農家には裸で指導し、信頼関係を築いてきたJA山口東経済部営農技術顧問の江本透さん(70)は、今も現役の営農指導員として技術指導や農薬使用基準などの指導に当たり、10年間生産者とともに歩んできた。岩国農林事務所農業部長を最後に定年後、縁あってJA山口東に入組。県農業改良普及員としての40年間は主に、旧岩国市、玖珂町、美川町、錦町、美和町、周東町、由宇町、本郷村管内で特産のワサビ、クリ、コンニャクの栽培技術を先輩から教わり、指導に携わった。そのため地域特産の思いは強く、JAでは培ってきた経験を生かし、2002年一般野菜から始めた営農塾は、2年目に果樹、2006年は専門分野のワサビ、翌年はくり営農塾の開設に繋がった。また、防除基準や野菜栽培テキストの作成や水稲、園芸作物の暦も作った。

 今は昔に比べ収量も最盛期の1/3と厳しい状況で、「このままでは美和町特産品『岸根くり』やワサビはなくなる」と心配する。このため担い手確保に向け農林事務所の支援や資料作成、講師をするなど営農塾に力を入れてきた。その成果が現れ今まで営農塾を修了した塾生62人のうち20人が担い手として活躍する。塾生は行政やJA職員のOB、定年退職者、新規就農者など幅広い。「今後管内の休耕田を生かし、標高差を利用したホウレンソウやはなっこりーなどの露地野菜の生産拡大を図り、脆弱な生産基盤から規模拡大など、本格的に共販作物として収穫が確保できる特産地にしたい」と、意気込む。

 「流通で今一番求められているのは集荷体制の一元化。地元市場を熟知し決裁能力の高い卸会社と連携して、安全・安心の農産物の販売ルートを確保すること」と、地域を重視した市場ルートの大切さも強調する。 国が進める減反政策など農業を危惧する疑問には、自身の考えを直接農家に訴えてきた政策通。「これからも現場主義を貫き、持続できる農業の構築とともに、農家所得の向上に向け、助言を惜しまず農家を支えたい」と、農への思いをにじませる。

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