明日への挑戦

2010年08月20日
「農をすすめる人たち」トマトの栽培技術高めたい


ハウスで作業する倉増さん

 【山口・あぶ萩】「あの人はいつ訪ねてもハウスで仕事しとる―。」農家仲間からこう言われるほど農業に熱心に取り組むのは、山口県萩市片俣御舟子集落のトマト農家、倉増隆資さん(39)だ。「農業は自由に作業できる反面、苦労が単価に反映されないことも多い。それでも毎日の収穫や栽培管理を続ける。本当に農作業が好きじゃないとつとまらない」と笑う。現在、増収と省力栽培、作業の効率アップに試行錯誤しながら、単収10トンを目指して奮闘中だ。
 
 幼い頃から農業を身近に感じて育った隆資さんは、農業大学校と卸売市場で農業や流通について学び、22歳でUターン就農した。実家は水稲専業農家だが、当時から栽培が盛んなトマトを選び、ハウス4棟を新設、現在は6棟(17アール)で「麗夏」2,300本を栽培する。栽培管理は隆資さんが行い、収穫作業は両親が交代で手伝う。「就農当初は青枯病が蔓延し、収量が伸びない年が4,5年続いた。青枯病は出荷間近な6,7月に出始めるのでショックも大きかった」と当時を振り返る。
 
 隆資さんは、増収と品質の安定のため、裂果率が比較的少なく、安定した収量が期待できる「麗夏」に品種を絞った。また、ホルモン処理にハチを導入し、収穫時に合わせて庭先選果をすることで省力化と作業の効率アップを図る。農閑期はシイタケ栽培や林業、スキー場でアルバイトもする。
 
 所属する「山口あぶトマト部会」の平均単収は6トン前後だが、隆資さんの昨年の単収は約9トン。栽培当初に比べて倍増した。隆資さんは、昨年の成果を原動力に、「今後は20段目まで収穫できるような木づくりを行い、単収10トン以上を目指したい」と意欲を見せる。
 
 「若い農家がどんどん増えてほしいが、行政の手厚い就農支援があってもなかなか定着・増加しない。就農の苦労がわかる分、積極的に応援したい」とエールを送る。

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