山口市秋穂二島の農事組合法人「二島西」は、一丸となって地域農業を発展させようと、全員参加型の法人を目指す。水稲の直播栽培で経営の効率化を図り、地下水位制御システム「フォアス」を導入、農作物の収量と品質の向上に努める。
法人として本格的に作付けを始めて2年目の今年は、ほ場整備が完了している約50ヘクタールで水稲と麦、約2ヘクタールでタマネギやカボチャの栽培を行う。
同法人の設立は2008年11月。組合員数146人、経営規模140ヘクタールで、県内でも最大級の法人だ。今年作付けする水稲の品種は、ひとめぼれ、ヒノヒカリ、中生新千本、日本晴、飼料米のモミロマン。7.8ヘクタールで直播栽培に挑戦し、コストの節減を図る。地下水位をコントロールできるフォアスの導入で、水の管理に伴う人件費や手間の削減、営農の多様化を期待する。
農繁期を迎え、法人のメンバーは田植え作業に汗を流す。メンバーに大型機械に慣れてもらうため、オペレーターは指導のもと、毎日交代で研修を兼ねた作業に励む。
ほ場整備が完了するのは2014年の予定。同法人の村永允組合長は「組合員全員が作業に参加できるように、麦や野菜の効率の良い作付け体系を考えていきたい」と話す。