明日への挑戦

2012年07月11日
周防大島町の魅力をおすそわけ/「周防大島くらし体験ネットワーク」沖永明子さんの取り組み


周防大島くらし体験ネットワーク会長・沖永明子さん

 周防大島くらし体験ネットワークの会長を務める沖永明子さんは、島に散らばる人や農林水産物などの資源にスポットを当て、ネットワークのメンバーである地域住民と協力して島を訪れる人たちにPRしています。

 体験交流のために企画した「島のくらしをおすそわけ」では、春・夏・秋・冬の各コースに分け、特産料理や加工品づくりなどの交流体験を通じて地産地消を進めています。

 

 この取り組みの特徴は、企画ごとに住民個人が主体となって来訪者を受け入れ、みかんを使った料理や豆腐料理づくり、竹の子掘りなど、それぞれの得意分野をいかんなく発揮できることです。

 ノウハウを他人に伝えることが生きがいとなり、島の活性化につながっていくと沖永さんは考えています。2003年のネットワーク設立以降、活動が今日まで途切れることなく継続されているのも、島の人たちの熱意が訪れる人たちの心をつかんでいる証です。

 

 沖永さんは、ご主人の晋吾さんと沖永牧場で酪農を営んでいます。自家製の牛乳を使ったチーズ作り等を交流活動に取り入れるなど、本業である酪農も最大限活用しています。

 

 「本業と交流活動の両立は、大変そうに見えるかもしれない。しかし、この活動を進める上で『無理なく楽しく取り組むこと』を常に意識しているので、家事も含めてライフスタイルの一環として取り組むことができる」と、沖永さんは話します。

 取り組みに参加するメンバーも、無理のない範囲で継続していくことを心がけ、活動しています。

 

 沖永さんは「島のくらしをおすそわけ」の具体的な内容を運営委員と共に企画し、農業者のみならず漁業者とも連携して取り組みを進めています。このような海の幸、山の幸を求めて、県内のみならず、遠く九州や広島など県外からも参加があり、中には毎回参加される熱心なファンもいらっしゃいます。

 

 沖永さんも、この活動を通じてたくさんの出会いがあったと話します。「受入人数を5人前後と少人数制にしているのは、アットホームでゆったりとした雰囲気の中、大島の生活、文化、食材などをじっくりと見て、聞いて、味わっていただきたいから。この活動を通じて、地産地消を進める上でコミュニケーションの大切さを実感した。今では多くの友人もでき、逆に元気をもらっている」と、島の資源をめぐって人のつながりを重視した活動が、多くの共感を呼んでいます。

 

 高齢化が進む中、活動を続ける島の人たちは、自分たちの知識・技術を活かすことで、島に活力を取り戻そうとしています。

 

 沖永さんは、近年目立っている鳥獣被害に着目し、ジビエ(狩猟によって捕獲された野生動物の肉)料理にも興味を抱くなど、新たな地域資源として活用を検討しています。「普段の生活の中で、きらりと光る資源を発掘するのはとても難しい。しかし、島の人たちは明るく、たくさんのヒントを与えてくれる。参加者の喜びの声を励みに、これからもこの活動を継続したい」と話します。

 

 農業・漁業を基軸とした地産地消の取組みに、多くの期待が寄せられています。

このページの先頭へ