明日への挑戦

2012年07月12日

自分らしさを基本に、地域と上手に連携/砂本養鶏 砂本令子さんの取り組み


砂本令子さん

 砂本令子さんは、光市浅江で「すーちゃんちのたまごらんど」を運営しています。1996年9月にオープンしたこのお店では、オムライスやたまごかけごはん、手作りパンなどを食べることができます。

 一番人気のオムライスは、ふわふわでおいしいと大変人気が高く、多くのファンが遠くから食べに来るほどに人気ぶりです。

 たまごを使った加工品や周南地区の地場産品などが、雑貨屋のように数多く並んでいます。

 

 もともと砂本さんは、砂本養鶏のたまごを光市の製薬会社にインフルエンザワクチン製造用に納めていました。

 それが製造中止になったのをきっかけに、養鶏を通じて社会に貢献でき、生産者と消費者の距離を縮める効果的な方法について考え、消費者にたまごを直接食べてもらえるレストランとして、また情報発信拠点として、現在のすーちゃんちのたまごらんどが誕生しました。

 

 砂本養鶏では、おいしいたまごを届けたいとの思いから、鶏にできるだけストレスを与えないための様々な工夫がなされています。

 

 鶏舎をのぞいてみると、たくさんの鶏たちがまるで庭先であるかのように元気いっぱい動き回っています。これは、昔鶏が「庭とり」として庭先で飼われていた頃の環境を再現することで、肉質が向上し、おいしいたまごを生んでくれるからだそうです。

 また、餌の大部分を占めるトウモロコシは、非遺伝子組み換え、ポストハーベストフリー(収穫後無農薬)で、鶏の健康にも大変よい素材が使われています。

 

 砂本さんは、これだけ元気いっぱいに育った鶏たちに感謝し、廃鶏をウインナーや鶏肉そぼろなどの加工品として、すべてを無駄なく利用しています。

 それは、経営理念でもある「鶏たちから、すーちゃんに育ててもらえてよかったと言われるよう、自然との共生を目指して頑張っていく」との言葉どおりです。

 砂本さんの鶏に対する思い、環境への配慮が十分に表れています。

 

 砂本さんは、やまぐち農山漁村女性起業ネットワークの活動で培った能力と独学で取得したパン作りの免許をフル活用し、アイデア商品の開発に力を入れています。「スーパーや100円市に行くと、たくさんの種類のたまごが並んでいる。その中から、消費者が『すーちゃんちのたまご』を手に取ってくれるとすごく嬉しい。そんな光景を見るたびに、このお店からたまごの魅力や鶏の魅力を絶えず情報発信しなければならないと強く思う」と砂本さんは意欲を見せます。

 

 地域に根ざした「すーちゃんちのたまごらんど」であり続けるため、常に自然体で、身の丈に合った経営を末永く続けていきたいと、砂本さんのアイデア勝負は続いて行きます。

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