明日への挑戦

2012年10月01日

笑顔が行き交う薬事の里/「農事組合法人宇内薬事の里」代表理事・河地邦彦さんの取組み


~女性たちが法人活動を後押し~

 農事組合法人宇内薬師の里は、下関市豊田町宇内地区で水稲、大豆等の栽培を手がけています。

 

 同法人は、平成23年1月に法人化しました。代表理事の河地邦彦さんは、特定農業団体であった頃から組合員同士が協力して農業と向き合ってきたため、法人化への不安は一切なかったと当時を振り返ります。

 

 法人化後は、組合員の収益を確保するため、個人所有の農機具を廃棄して法人管理に切り替え、組合員個々の過剰投資を抑えました。さらに、アスパラガスの栽培を始め、経営の複合化にも力を入れています。

 

 河地さんは、「私たちは、全戸参加型で法人活動を進めています。6月下旬からのアスパラガスの収穫では、早朝にもかかわらず多くの女性たちが作業にあたってくれました。彼女たちが楽しそうに取り組む姿が法人に活気を与え、私たちを笑顔にしてくれています」と女性の活躍ぶりをPR。さらに、「法人化して1年半が経過しましたが、集落内の農地を荒廃させまいと皆で協力し、美しい景観の維持に努めています。農地を守ることが地域を守ることに直結するため、皆が高いモチベーションを持って作業に取り組んでいますよ」と、組合員が誇りと情熱を持って農業と向き合っています。

 

~農業を次世代に継承~

 河地さんは、後継者の育成・確保を最重要課題に掲げています。農業が主要産業である当地域において、少子高齢化による担い手の減少は地域の存続に大きく影響してくるからです。

 

 こうしたなか、法人活動が地域に果たす役割は大きく、組合員からは「個人経営の頃と比較して収入が3~4倍に増え、大変満足している」「共同作業に参加できなくても、それなりの収入を確保できる」「女性同士の交流があり、コミュニケーションの場となっている」などの声が寄せられています。

 

 河地さんは「私たちの法人は活動が活発で、地域住民の拠り所になっています。組合員が抱える課題を共有し、皆で解決できるような法人にしたい、そう思うんです。多くの知恵が詰まった法人を、若い世代にバトンタッチしたいですね」と河地さんは話します。

 

~強い絆で結ばれた組合員~

 風光明媚な宇内地区を舞台に農業を展開する宇内薬師の里。ここには、人々が共通の目的に向かい頑張る姿と、喜びを共感できる風土、元気な女性の姿があります。

 

 「農業がどんなに厳しい状況に置かれようとも、私たちの絆が揺らぐことはありません。多くの消費者に安全・安心でおいしい農産物を届けるため、これからも皆で楽しみながら農業を続けたいと思います」と河地さん。大好きな農業と向き合う組合員の皆さんの姿は元気で満ちあふれており、これからも地域全体にエネルギーを与え続けます。

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