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2010年01月04日

米の独自販売を強化


全国を走り回り萩をPRする「走る広告塔」

  【あぶ萩】JAあぶらんど萩は、農家の利益確保に向けて、管内の基幹作物である米の独自販売の強化に取り組んでいる。産地の魅力を知り尽くす農家と連携した良質米の安定生産に加えて、「龍馬伝」ブームを追い風に新発売した「龍馬が愛したお米」など、話題性のある商品開発と提案で独自販売網を広げている。JAは生産・販売の両面で農家支援を続け、独自販売の割合を、来年度は8割まで増やしていきたい考えだ。


  独自販売は、農家が丹精した米を自ら企画販売したいという思いから、約10年前から取り組む。昨年はJAが掲げた合い言葉「温故知新」の一環として、薩長同盟をテーマに「龍馬が愛したお米」の開発や、地元商工業者などとの製造ノウハウや情報の共有化を目指した「長州サミット」のを開き、トラックの車体に城下町「萩」のシンボルである白壁や夏みかんなどを描いた「走る広告塔」も製作した。農畜産物の知名度向上と産地のイメージアップを図る攻めの試みは栽培意欲の引き上げにも繋がり、農家の評判は上々だ。


  商談では、龍馬が愛したお米以外にも、有機JAS認証米やエコやまぐち米、水田環境米など、品揃えの独自性と充実でアプローチしていく。また、相手の意向を最大限くみ上げ、生産現場と調整して可能な限り実行する姿勢から「機動性」と「実行力」に高い評価がある。販売代金の回収リスクは発生するものの、農家からは「生産者の顔や故郷の景色が描かれた米袋で販売され、本当にありがたい」との声が上がる。


  販売担当課長は「農産物価格低迷の長期化は、農家離れに直結する。次年度は組織機構を改革し、指導・販売の特化を図る新しい組織体制で販路拡大に全力で臨む。今後も県内産米のリーディング産地としてチャレンジしていきたい」と意欲的だ。

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