明日への挑戦

2018年07月18日

ブランドカボチャ「阿知須くりまさる」 後世に残したい地域の宝


山口市阿知須地区は、古くからカボチャの栽培が盛ん。1995年から甘味の強い品種である「くりまさる」に統一し、基準を満たした高品質なものが「阿知須くりまさる」として県内市場を中心に出荷されています。「やまぐちブランド」にも登録され、“栗にも勝る甘さ”を誇るとして市場からも高評価。ホクホクとした食感と肉厚で煮崩れしないのが特徴で、JA山口宇部管内で生産者60人が約6㌶で栽培しています。

JA山口宇部カボチャ生産組合の組合員の皆さんは、7月上旬からくりまさるの収穫をスタート。5日に目合わせ会を開いて出荷基準を確認し、13日には同JA阿知須支店の野菜集出荷場で出発式を開き、初出荷を祝いました。

松﨑繁秋さん(68)は、定年前から阿知須でカボチャの生産を始め、16年にJA山口宇部カボチャ生産組合の組合長に就任しました。厳格な栽培基準に基づき、組合員とともに丁寧な栽培を手掛けています。脇芽をこまめに摘んだり畑にカヤを敷くなど、栽培管理に余念はありません。また、収穫の際にヘタを5㎜くらいにカットすることで、他のカボチャを傷つけず、完熟が早まるなどのメリットもあるそうです。「カボチャ作りのおもしろいところは、手をかければかけるほど品質が向上すること。反対に、1日でも手を抜けば満足のいくものには育ってくれません。子どもを相手に語りかけるように栽培しているんです」と松﨑さんは話します。

同JA営農推進員の吉川亘裕さん(27)は、入組して金融を担当したのち、営農担当となって今年で3年目を迎えました。くりまさるの出荷数量の拡大と秀品率の向上を目指し、生産現場へ足を運んでいます。「まだまだ未熟ですが、積極的に現場に飛び込んで知識・技術を磨き、少しでも農家の皆さんの力になりたいです」と意気込みます。

「地道に、丁寧に、皆で力を合わせてくりまさるを生産してきました。地元の皆さんに“阿知須の宝”と喜んでもらえるよう、一生懸命頑張りたいと思います」と松﨑さん。地域が一体となってブランドカボチャを支え続けます。

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