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2009年05月01日
【地域医療の現場】JA山口厚生連長門総合病院/「緩和ケアチーム」患者の人生に寄り添って


がん患者の治療法について意見を交わす緩和ケアチーム

 「食事が食べられないというが、どう対応すればよいか」「自宅に帰りたいとの希望が出ているが、可能だろうか」。
 
 JA山口厚生連長門総合病院(長門市)の「緩和ケアチーム」。医師、看護師、栄養士、理学療法士ら部門横断的なメンバー16人が、熱心に意見を交わす。がんで苦しむ患者の痛みを取り除こうとそれぞれの専門知識から最善の対処法を提案し合う。「がんと向き合ってその人らしく生きられるように、支えたい」。それが、チーム共通の思いだ。
 
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 緩和ケアチームは、専門的で質の高いガン治療を提供する体制を整える病院が設置する。同病院は2年前にチームを結成し、2008年に厚生労働省に「がん診療連携推進病院」の指定を受けた。
 
 同病院は、過疎高齢化の進む県北からの外来も含め、年間500人のがん患者の治療にあたる。精神科など多くの診療科がある都心の救急病院とは規模が異なるが、地域の中核病院として温かみのあるがん治療を目指している。
 
 緩和ケアチームは、症状や進行の度合いにかかわらずがん患者と総合的に関わる。例えば患者が「自宅に帰りたい」と希望すれば、訪問看護師の手配や家族への指導や相談を行う。薬の副作用、食事、痛みなど多くの悩みが寄せられ、主治医とともに適切で最善な対応を考案する。
 
 宮本晴美看護師長は「身体的な痛みだけでなく、精神的な苦痛も大きい。緩和ケアは個性や家族構成まで見つめることが大切」と考える。
 
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 治療と同時に緩和ケアを進めることの重要性をうたった、がん対策基本法が年成立した。だが、緩和ケアは「死を迎えるまでのあきらめの医療」という誤解をもたれがちだ。緩和ケアに対する認知度も高くはない。
 
 同病院内ではチームの活動によって、緩和ケアの重要性がスタッフ全員に浸透し、情報共有できる体制が構築されつつある。チームをまとめる外科部長の久我貴之医師は「地域に緩和ケアの大切さを発信し、患者の人生に寄り添った、質の高い緩和ケアを提供していきたい」と強調する。

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