明日への挑戦

2009年07月17日
岩国市周東町「JA山口東スイートコーン部会」田村洋佑会長(66)


スイートコーン畑の田村洋佑部会長

 名刺の肩書きに「百姓」と記。「今の農家が栽培する農産物は10種類程度だが、昔は自給自足で百種類の農作物を栽培した」と百姓の意味を説く、岩国市周東町の田村洋佑さん(66)は息子の帰郷を待ち続けた実母(96)、妻(60)との三人暮らし。サラリーマンを定年後帰郷し、農業を引き継ぐとともに、JA山口東スイートコーン部会会長として、部会員16戸の仲間と水稲の転作が容易なスイートコーンを約85アール、約6トンの栽培に取り組む。
 
 元もと周東町はイチゴ(サチノカ)栽培が盛んで、11月下旬から出荷し5月に終わるため、イチゴの裏作として5月から労力投入が少なく、収益時期がずれて定植の早いスイートコーンを植え付けたのが始まり。労働の配分と収益性、ほ場の間空の3つの視点で導入された。従来スイートコーンは九州から入荷が多いが、物流距離に限界があり、小売店で販売するまで予冷するなど鮮度が劣る。地元産のスイートコーンは朝どりで甘く、フルーツ感覚で食べられキャンプなど若いお母さんや子どもらに人気がある。戦中戦後のトウモロコシの感覚とは違って今は、糖度も16~17度と高く、特に朝どりは収穫時の気温が低いので糖度も高い。JA山口東は、朝どりスイートコーン高糖度系品種「ゴールドラッシュ」の栽培を2004年から支援する。スイートコーンは鮮度が落ちやすく、気温が低い早朝に収穫すると、収穫後の呼吸量が少なく、呼吸による糖度が分解を抑え、より甘い状態を保つのが特徴だ。収益性も水稲よりか高い。
 
 収穫は朝どりが条件。6月下旬~7月下旬の1カ月、曇日は早朝5時、晴天は4時45分スタートする。1本の重さは250グラム~500グラムあり、大中小のランクに分けて出荷する。JA共販と規格外は直売所に出す。グリーンパル高森産直市場の産直野菜市協議会会長も兼ね食の安全・安心に取り組む田村さんに、新鮮野菜を時々送る同期の仲間も良き理解者だ。「地元に恩返しするため、経営が成り立つ持続的農業を目指すとともに、朝どりスイートコーンを周東の特産にしたい」と熱く語る。

このページの先頭へ