明日への挑戦

2010年01月22日
環境保全型農業を目指して/粟屋怜さん(53)


元気に育ったハクサイ、ブロッコリー、ダイコン畑の粟屋さん

 40歳の時に自然農(不耕起不施肥)の世界を観て「美しい」と思った。以来兼業の中で、試行錯誤を繰り返えすうちに、気が付くと卒サラ(4年前)して、専業農家になっていたと話す山口市徳地堀の粟屋怜さん(53)。粟屋さんの有機農業のベースには自然農の世界観の思想(詩想)が源泉だ。山口環境保全型農業推進研究会会員で専業農家として約2.5ヘクタールで有機農業を営む。妻と娘、息子、父母、祖母の7人家族。野菜づくりは、堆肥は冬に作り、耕起するところは有機質肥料をほどほどに入れる。ボカシ肥料づくりは米ヌカとオカラ、一部バーク土壌堆肥も購入するが、後作の場合ダイコンなど何も入れなくても出来る野菜もある。水田の除草に動力除草機も使うが、代かきを念入りに2回施し、草を抑え込むことが大切と考える。合鴨農法も取り入れ、地域の人に合鴨を見て喜んでもらえるよう地域の環境にも配慮する。合鴨農法で8俵、肥料は入れなくても6俵は採れる。今時期の畑はハクサイ、ダイコン、キャベツなどの野菜が勢いよく色づいている。安全・安心の農産物は、専門店や宅配を中心に販売する。今の農業で「家族みんなが健康で暮らしていければ」と、楽観的な人柄だ。
 
 農業の業は「ごう」とも読め、違和感を感じるとも。今までの農業は選択的拡大を進めた結果、本当の豊かさが見失われているのではないかと考える。
 
 自身の農業は自給自足をベースに、農業収入は暮らせる範囲と余裕のある農業経営を目指す。中古の機械で、低コスト農業に挑戦する一方、近代化資金で倉庫を建て替えたいと、計画的生産拡大にも意欲的だ。
 
 JAにエコ50の農家を主に「エコ農法研究会」を立ち上げ、昨年試験田で合鴨農法により水稲栽培した。収量は6俵あり、農家の中には期待する兆しもある。今の農業に求められるのは「農産物が再生産できる適正価格の世論形成に努めるとともに、消費者と生産者、JAがともに連携し、地球にやさしい環境保全型の農業の構築を望みたい」と、思いをにじませる。

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