明日への挑戦

2010年06月23日
農政の転換を求めて


JA山口中央代表理事組合長益冨嘉男

 政権交代により、農政の大転換の中、小子高齢者、担い手不足など山口県農業は大きな転換期に直面している。

 県農業は、この10年間で農家数は2割減の約45,000戸、耕作放棄地は約5,200ヘクタールに倍増した。農業は県経済を支える基幹産業であり、農業の再生は喫緊の課題である。農業振興を永続的に行う担い手組織、一地区一経営体が望ましいと考える。代表的な当JAの嘉年地区の大規模法人は、一長一短はあるが集落の溜池、山林を始め農業資源の確保と農業振興に大きく貢献している。

 1970年に生産調整が始まり、耕作面積の6割しか生産できない状況が40年続いた。この間農畜産物の輸入自由化とともに、農林予算の減少に伴い生産原価を割る米価に農家の経営は困難を極め、担い手不足や食料自給率も40%に低下し、日本の食料安全保障も劣悪となっている。

 新政権が進める戸別所得補償制度は、生産基盤が異なる各県を全国一律に10アール当たり15,000円の助成措置は農地の7割が中山間地域の本県での適用は無理があり、今後見直しを要望したい。国民の安全保障の問題であり、現場の実態を反映した制度に改善し、農家の経営を支援する永続的な制度にする必要がある。JAはその先頭に立つとともに、国際競争力を強めるため、10アール当たりの生産時間の短縮など生産新技術の開発と世界一安全安心な農産物を生産する栽培技術の確立が大切である。

 国は食料自給率を10年間で40%から50%(カロリーベース)に高めるとしているが、現在日本が世界各国から輸入する食料は小麦、とうもろこし、大豆、なたね、大麦や飼料などその量を作付面積にすると1,200万ヘクタールで我が国の米耕作面積の約7.4倍に相当する。このため自給率の改善には全ての農家が裏作を行い、耕作放棄地を100%復田することが第一歩となりJAの役割は重要である。

 県政への要望として、1.若年層の定着対策として農業を県の産業戦略として位置付ける2.地球温暖化に伴い稲作銘柄に耐高温性の品種改良3.自給率改善に向け生産品目と量の指標設定4.担い手や法人に対する支援策の充実を求めたい。

 略歴:1933年生まれ。宇部興産(株)ケミカル工場入社。51年軟式テニス国体選手。53年全国青年の主張大会で最優秀賞を受賞。宇部興産(株)労働組合協議会初代会長。山口市農業委員会、山口市自治会連合会会長や山口市行政合併推進協議会委員、県組合長会議議長なども務める。

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