明日への挑戦

2011年06月22日

(有)どんぐり


(有)どんぐりの田辺英雄代表理事と認証書

 長門市の2法人がこのほど県内で初となるJGAPの認証を受けた。JGAPとは、特定非営利法人日本GAP協会が運営する日本版GAPのことであり、「農産物の安全」「環境への配慮」「生産者の安全と福祉」「農場経営と販売管理」の4テーマに基づいた農場管理の手法。同協会が依頼する第三者機関が認証を行うため、農産物の安全・安心を裏付ける取組みとして全国に広がっている。2回目となる今回は(有)どんぐりについて紹介する。

 

 長門市三隅にある(有)どんぐりは常に新しいことにチャレンジすることを心がけており、先進事例などを積極的に情報収集し経営に取り入れている。その一環として山口県で初めて「マルチリーフクイーン」「マルチリーフリボン」というワンカットで盛り付けが出来るレタスを栽培。日持ちがよく、子供でも食べやすい食味から人気を得ている。また、4月1日には、ねぎ、レタス、水菜、セルリー、小松菜、春菊、高菜(中国野菜)、ブルーベリー、キャベツ、菜花(はなっこりー)の10品目でJGAP認証を受けた。

 

 同組織は平成13年8月に設立し、現在、構成員3人、従業員1人、パート2人、調整作業員10人からなる。多品目に渡る商品提案を心がけており、水耕野菜栽培施設約5,000平方メートルで小ねぎ、リーフレタス、水菜、小松菜、ホワイトセロリーなどを周年栽培。JA共販にて長門、徳山、防府など県内市場を中心に出荷している。

 

 また、約2,000平方メートルの施設で約400本のブルーベリーをポット栽培、地元加工グループで委託加工しジャムとして販売している。露地圃場も約7,000平方メートルあり、業務加工向けを中心としたキャベツ、はなっこりーなどを栽培している。

 

 JGAP取得理由について訊ねると、(有)どんぐりの田辺英雄代表理事は「県内で他にやっている組織がいないというのがきっかけ。これからは安全・安心はもちろん、労働環境を守り、自然環境にも配慮した野菜づくりが必要だ。JGAPにはこれら全てが詰まっている」と話す。

 

 今後、JGAPをどのように活用していくかを課題としており、JAや行政と連携を取りながら、他の野菜との差別化を図り、積極的に販売していく考えだ。

 

 田辺代表理事は「JGAPは消費者にとって安全・安心というだけでなく、経営の安定にも繋がる。相対取引などを上手く活用し相場に左右されない強い経営体を今後目指していく」と意欲を燃やす。

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